朝原宣治の名言格言集

朝原宣治(あさはら のぶはる)

職業:陸上競技選手(短距離走、走幅跳) 誕生:1972年6月21日 出身:

2008年北京オリンピック・陸上男子4x100mリレーの銀メダリスト。100メートル競走においては、日本人として初めて10秒1台及び10秒0台を記録し、日本記録を3回更新した。

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朝原宣治の名言格言

リレーの勝負は、いかに「タイミングよくバトンを受け取り、走れるか」が命運をわける。この時、余計な感情は邪魔になるんです。「日本のため」「チームのため」「やってやるぞ」といった前のめりのモチベーションがあると走ることに集中できない。

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短距離走はわずか10秒で終わります。けれど準備の冬期練習10か月前から始まる。裏を返せば、身体づくりも戦術も時間をかけ、じっくり積み上げなくてはなりません。本番直前にジタバタしたところで「勝負は決まっている」んです。

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僕は体格ではない部分を伸ばすことで、総合的には戦えるんじゃないかという気持ちでやってきました。盗めるところは盗み、骨格上の違いで真似できない部分は自分に置き換えてどう使えるかを考える。1レースごとの勝ち負けに一喜一憂するのではなく、他人と戦いながらも自分の中の成長を感じ、可能性を引き出せているかどうかを確かめる。

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ピンチに立たされた時こそ「割り切りの良さ」がピンチをチャンスに変える。

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リレーで結果を出すためには、僕の個人的なレベルを上げることももちろん大事ですが、僕だけが強くてもダメだし、僕だけが弱くてもダメ。みんなの力が合わさらないとタイムは伸びないし、ましてやメダルという結果は出ません。レベルの高い個人とチームワークの両方が揃わないと高みにはいけない。

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「僕には走ることしかない」「1日も早く世界で戦いたい」という気持ちを再確認できたことで、復活へ挑むモチベーションにもつながった。

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「走り方」のマニュアルはあっても、その動きを行う時の感覚は選手によって違います。マニュアルをカスタマイズしながら、最も自分の感覚に合った「効率のいい動き」を選手自身が模索する必要がある。そうした時間を経て初めて、自分のモノになる。

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ここまでの(やってきた)準備で自分が出せる力は決まっている。

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本番の決勝レース。僕はスタートラインに立った時、真っ先に自分に向かって言いました。「やるだけのことはやった。ここまできたら勝負は決まっている」、と。それが心を落ち着かせてくれるスイッチになった。

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必要なのは集中力です。なかには自分の集中を高めるために叫び声を上げる選手もいます。でかい声を上げると気持ちが落ち着き、楽になりますから。でも、隣にいる人はたまったもんじゃない。そんな中で集中を高めるために僕がやっていたのは、目で見えるものをいちいち意識しないという方法です。ニュアンスが難しいんですが、見えてはいるけど、見ないような感じ(笑)。隣にいる選手を含め、すべての景色、目から入る情報をいちいち考えない。ただ見えているだけと受け止めると、集中力が高まっていき、シンプルに走ることに集中できるんです。

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参考になったのが、15年以上もの間、マメに記録し続けてきた手帳。練習メニューやタイムだけでなく、「走りの感覚」といった内容も、書き留めていました。身体感覚は曖昧で理論化しにくいものですが、その時感じたことをメモし、自分のデータとして蓄積して見返せば、「調子がいい時の自分」と「悪かった時の自分」の感覚が分かることがある。ベストな状態を再現し、限界を超えるためのヒントや気づきを得られる場合があるのです。

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僕たちが大事にしているものって、自分が伸びている感覚。試したことがスピードに結びついているかどうか。楽に走ることができるかどうか。タイムや結果も大事なんですけど、むしろ僕らが求めているのは精神的なことも含めた心身をコントロールする感覚。そのための試行錯誤に面白みがあった。

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自分の感覚が曖昧な人は、恵まれた身体能力があっても安定したタイムが出ない。それは偶然でしかスイッチを押せないから。そのスイッチを押すスキルをセンスとして持っている選手もいるし、練習で身に付けていく選手もいます。僕の場合は、ドイツやアメリカでのトレーニングと試合を続ける中で、自分の感覚を持とうと意識的に積み上げていった。それが、この歳までトップでやれた理由のひとつだと思います。

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人事を尽くして天命を待つ。良い意味での「開き直り」ができたときこそ実力を発揮することができる。それには、心身ともに充実すべく周到な準備が必要である。

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今思えば、痛みの発生は、トレーニング法などの「努力の方向性に問題がある」というシグナルでした。しかし当時の私は、練習を休むことが怖く、順調に積み上げてきたものを見直したり、リセットしたりする勇気がなかった。

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前例となるメソッドがありませんから、自らを実験台にするしかありません。これまでの経験や勘を基に、仮説を立て検証する。この繰り返しでした。

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コツコツと日々積み上げたものが個人の力となり、それがチームの成果に繋がる。多分みなさんの仕事も同じじゃないでしょうか。喜びは日常と地続きなんですよ。

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リレーという団体種目は、「チームワーク」「絆」「信頼」といった科学では証明しにくい要素が思わぬ力となり、結果に結びつくことがある。実際、メンバーの気持ちに温度差が生じると、バトンミスなどにつながる恐れもある。

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黒人選手は横に並ぶと骨格の違い、体力差を感じますし、ハンデがあるのは確か。でも、そこに果敢にチャレンジするのはすごくやりがいのあることで、また黒人選手に勝って先にゴールするのはとてもうれしいものでした。正直に言って、スプリントの才能や体の適性は黒人選手のほうが上ですから。

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コーチのところを離れ、ひとりで練習するようになってからは自分でアレンジして、常にいいとこ取りをしてきました。自分によさそうだなと思ったら、試してみる。基本的に僕、パクリが多いんですよ(笑)。ほかの選手の練習法を見るのも好きで。特定の日本人のコーチには付いたことがないですけど、そのカラーを学ぶことはできますからね。

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自分に起きることはすべて、無駄にはならない。この時の辛い経験が、後のメダル獲得につながるターニングポイントになった。

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どうしてもメダルが欲しかった私は、リレー合宿のミーティングで自分からメンバーにお願いした。「引退するまでに、どうか僕にメダルを獲らせてくれ」と。後輩を引っ張るベテランが、こんなお願いをするのはかっこよくないかもしれません。でも「どうしてもメダルを獲りたい」どいう素直な気持ちを伝えたことで、私の「本気度」が伝わり、メンバーの心に火をつけました。

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アスリートに共通しているのは「コレだ!」という自分の感覚を持っていること。何度も代表に選ばれるような選手は、その感覚を自分でコントロールすることができる。スイッチの押し方を掴んでいるから、自信を持って競技に臨める。だから、一発だけじゃなくコンスタントに好タイムが出せる。

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