平井伯昌の名言格言集

平井伯昌(ひらい のりまさ)

職業:水泳指導者 誕生:1963年5月31日 出身:東京都

東洋大学教授、同大学体育会水泳部監督。東京スイミングセンターヘッドコーチ。日本水泳連盟理事・競泳委員長、競泳日本代表ヘッドコーチ。

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平井伯昌の名言格言

ものすごくうれしいですね。あっ。すいません。喜びすぎですね

選手というのは体力的なこともあって、活躍できる期間というのが限られてると思うのですが、指導者は、例えば20代なりの指導だったり、30代なりの指導だったり、40、50代なりの指導というのがあります

自身と向き合い、敵は自分と思えるかどうか。その意識の差が、目標を達成できる人とできない人の違いではないかと思うのです

人生50で折り返したら、100までそんなに元気でいられません。でも、シドニーから考えるとまだ12年。あと12年頑張って62歳です。スタイルは変わっていくと思うのですが、まだトップスポーツの指導者としては半分の道のりであると考えたいと思っているのです

アイツはよく”天才”と言われるんですが、そうじゃないんです。”努力の天才”なんです

私としては、シドニー五輪からロンドン五輪までで半分ぐらいの感じで今後もできないかなと思っています。ですから今が折り返しです

できるだけ早くコーチとしての信頼を勝ち取るには、小さな大会でもいいから、きちんとその選手に結果を出させてあげるのが一番です

昨今は「褒めるバブル」なので、注意しないといけないなと思っているんです。あまり褒めすぎると効き目がなくなりますから

だから次のロンドン五輪のあとは、春佳はもしかしたら続けるかもしれないけど、どうしたらいいんだろうと少し悩んでいたところに、大学の教員の話があったので、これまでの経験も踏まえて、違う形でやれるかなと思ったんです

ゴールデンエイジがちょうど高校を卒業する年だったというラッキーな面はありますね。これが来年だったらこの形にはならなかっただろうし

僕は褒めないんですよ。必要以上に褒めないんですけど、ただ北島(康介)が言うには、だから平井先生から金メダル取れるぞとか、絶対ベスト出るぞとか、絶対勝てるぞって言われると僕は信じるんですっていうふうに言ってくれた事があって。その通りなんですよね、嘘は言いたくないので

1人でどっかに歩いていってしまうのが好きだったし

年齢を重ねると、自分でも気づかないうちに理論に頼ってしまっていることがあります。これからもチャレンジを続けるために、自らの環境を変えようと決めました

「何でだろう?何でだろう?」って自問する癖があった

08年の北京五輪が終わった後、僕が指導する選手は上田春佳だけになったんです。だから彼女をメインにして下の選手をジックリ育てようと考えていたけど、寺川綾や加藤ゆかが移籍してきた。それがなかったらコーチとしての僕の実績にも空白ができていたと思う

選手に踏み込むことが大切だと思います

なんだかんだいっても、「あのコーチの言うとおりにやったら記録が短縮できた」という事実が積み重なれば、次も耳を傾けてみようという気になるじゃないですか

一生懸命やって、上手くいった時に達成感を感じることが好きです

円周率は習ってなかったんですが、塾に行ってたやつが「直径測って、3・14をかければいいんですよ」と言った。そしたら(先生が)それはご法度だと

春佳がJOCの斡旋制度でキッコーマンに入社したように今は社会人になっても競技を続けられる環境が整いつつあるから、『他の大学出身でも受け入れられますよ』というような大学があってもいいのじゃないかと

目力というか意志の強さ。なんか我慢強そうな、集中力があるんじゃないかというような

自分を崩したやつが負けていくんですよね。みんな勝ちを目指している中で、自分から崩れていくんです。その気持ちの負担っていうのを軽くするっていうのが、コーチの役目なのかなと思ってやっているんです

「短距離にやっても効果は出ない」「北島のようなスプリンターには向かない」って言われた。その時に「そんなの誰が決めたんだ」って思った

基礎は自分の頭からは生まれない

松田と萩野が競り合ってものすごい練習をしている。面白いですよ

まず褒めておいて、「だけどこのままでは、伸びはここまで。さらに上のレベルに行くには、ここをこう改善しよう」という言い方をします

大学スポーツを世界一にするためには、やっぱりそれなりの体制も必要だと思います

選手の個性を見抜くのは観測データを取ることとは違います。こちらが知りたいと思ってないと知ることができないのです

スタート地点では才能も技術もほとんど同じ。しかし出来る人と出来ない人が決定的にわかれていく要因として休まず続けたかどうかがある

東スイで27年間やってきて思ったのは、今度は大学水泳にスイミングクラブの良さをフィードバックしたいということだったんです

緩やかな坂道をあがっているうちは、コーチの言う通りでもいいのですが、徐々に坂は急になります

指導者から伸びる人への大きな贈り物は、本人が気づかない大きな可能性を見出し、もっと大きななりたい自分像を描かせることだと思います

選手はこれでいいと思っているところに、「ここが悪いから直せ」と言われたら、なかなか素直に聞く気になれないというのは人情です

「これじゃ、ダメだよ」って言われても納得しない

日本記録を出した選手には、世界記録がある。アジア大会で世界記録を出したら、世界選手権の記録じゃなければ世界からは認められないぞという具合にです

よく『自分のレースをしなさいよ』とか『自分のレースができました』って言うんですけど、その通りなんですよ

96年アトランタ五輪は見に行っただけですね

僕は高地トレーニングというのは1つの手段であって、北島に合うようにやればいいんじゃないかなと思った

日ごろから取材を受けてる方々の団体からの賞で、嬉しい気持ちです

泳ぎ終わってレースの説明をしていたら、僕を見る目がすごく鋭い

国内や大学同士の戦いで勝つことだけに充足するのではなく、“世界と戦うチーム”というブランディングをしていきたい

「足が痛むので足の病気かと思っていたら、実は内臓疾患だった」なんてことがありますよね。それと同じで、「なぜそういう泳ぎ方になってしまうのか」という本質的な原因を発見できずに、目に見える表面的な問題だけを直そうとしても上手くいきません

最初の構想としては、理想の形が出来るのは萩野や山口が卒業してからと思っていたんです。だから今は、4年後の姿を見ているような感じでもあるんですね

今の1年生にとって、北島や松田、寺川、上田と一緒に練習できるのはどれだけ幸せなことか

自分を変えるきっかけというのは選手が作ってくれています

練習では、選手の泳ぎ方の悪い部分を修正するというのがコーチの大事な役目です。この場合、ある程度時間をかけて話すこともありますが、私はなるべく「ワンポイントで伝える」ようにしています。というのも、ポイントが複数になると、選手が混乱してしまって修正ができないからです

「何で強くなったのか」「何で結果が出たのか」、逆に「何で結果が出なかったのか」。自分は包み隠さず言おうというところがある

自分に対して思うのは『お前、プライドないのか』ということです

金メダルしか狙わない、そして自分のベストを尽くす、それだけ

今回、たまたま私が表彰していただきましたけど、支える人を表彰すると言われることは報われる感じがして、非常に嬉しいという気持ちがあります。支える側の代表でもあるという気持ちもあります

早いうちから成果を出すタイプは、まわりの人の目を意識し場の空気を読む能力に長けています。この賢さが大きく伸びようというときに邪魔になります。なぜなら、自分の頭で計算した範囲でしか行動できないためです

基本的な理論を大切にしながら、新たなチャレンジを続けてきました。しかし、それも成果が出るといつしか一般的になってしまうものです

試合でいい結果が出たときは改善点を伝えるのは難しい

指導者には、指導者としての旬の時期というのもあると思います

私1人での指導でしたら少数精鋭になります。けれども今の目標は金メダルを取ること。金を取りつつ、例えば何人オリンピック選手出せるか、何人メダリスト出せるかということを考え、皆でやっています

今の学生は僕らの頃と違って平等意識のようなものがあって、白黒を付けないようなところがあると感じます

僕は社会人になってから大学院へ行ったんですけど、大学院には、他大学を卒業した優秀な人材や社会人を受け入れるという器がある

勇気をもって、ゆっくりいけ

ですから指導者として活躍できる年月はすごく長い。私は今年で50歳になります。進化できるのかどうかわかりませんが、時代のニーズに応えるということなら、頭を柔軟にしていればできると思います

もう負けたくないんだろ、だったら誰よりも努力しろ

対象がどんどん変わっていきますからね。寺川(綾)、萩野(公介)、山口(観弘)…

オリンピックを通じて、本当に思ったのはですね、最終的には自分自身に打ち勝った人間が、メダルをとれたり、金メダルをとったと思いますので、忍耐力と克己心を強く持った人だと思います

素人のような疑問を大切にし、いつまでも冒険し続けたい。世界には私より多くのメダリストを育てたコーチだっているのですから

お医者さんみたいに、今までの選手のパターンで言うと、こいつはこういうパターンだなというように、臨床経験は増えているのですが、だからといって、それで片づけてしまうといけない。やはり、踏み込んでいかないとダメだと思います。時間と情熱をかけるというのが一番だと思います

初期の大きな失敗から、私は「待つこと」の大切さを教わりました

選手に納得してもらうには、自分の気持ちに対して嘘をつかないことです。コーチの嘘を選手はすぐに見抜きます。そうしたら信頼関係なんて築けません

もちろん成果が出ることはすごく好きなのですが、どうやったら伸ばせられるかとか、どうやったら上手くいくかと考えることが好きですね

水泳界でも同じ形で“大学院”のような場があっても素晴らしいのではないかなと思っていたんです

めんどくさくなることも、たくさんあるんですよ。結局、労力を惜しむなというのが、元々にあるわけですよ。東京スイミングに受け継がれてきた伝統というのも、私の中にはあります

「俺が50歳だから、俺のレベルまで来なければ教えないよ」なんてやってると、たぶん個性は把握できないと思います。こちらから選手との距離感を近づけていく努力が必要だと思います

自信がついてくると変わる、指導している上田春佳とか、じーっと見てきますから。昔はそんな感じじゃなかった、集中力がなくてキョロキョロしてダメだったんですけど

試合で泳ぐ時に「あれっ、コイツこういう顔してるんだ」と思った

ロンドン五輪が終わった後、選手にスポットが当たったのは非常に嬉しいことでしたが、僕の周囲の人、例えばJISS(国立スポーツ科学センター)のマルチサポートの運動生理学の方、あるいは動作分析の方などから、トレーニングをサポートする側がどのようにメダル獲得をサポートしたのかという掘り下げが少ないと言われたのです

大きな成功は、基盤をしっかり整えた上で、誰もやったことがないことにチャレンジするから手に入れられる

(コーチは)自分の限界を作らないように、いろいろな人の意見を聞いて協力を仰いだほうがいいですね

寺川などはまだ記録を伸ばしているし、コーチが指導する部分だけではなく見て学ぶという部分もあるというのは、彼らにとってものすごく大きいと思います

コーチとして自分のスタイルを貫くのは大切ですが、対象の選手や、自分の立場や経験でやり方を変えていけることがあると思うのです

オリンピックでメダルを争うようなレベルになると、自分で考えて行動できるような選手でないと、伸びていきません

問題の真因を探って、その一点を集中的に改善していくしかありません

「うるせえな、お前」とよく言われた。小さいころから生意気だったと思うんです

同じような力の選手っているんですよ。だから強靭なメンタルの人間が集まった中で、より強い奴が勝つわけですよね

練習より本番に強いっていう。こういう選手じゃないとダメなのかなと思った

たいがいのコーチは、自分のキャパシティの中に選手を収めがちなんです

ひねくれ者ですから。言われたら『このやろー』って思っちゃう方なんで

変化を恐れないことが日本人の強さのひとつです

スイミングクラブの競争意識や『目指すのは世界だ』というスタンスを持ち込みたいと思ったんです

周りの人の言うことをやっていたら、何年かかるか分からない

あいつが泣くのを初めて見た

人間変わるものだな、と。ただ誰もが変わるわけじゃなくて、きっかけと取っかかりがあって、うまくいった時に人間ってガラリと変わる

今の1年生が4年生になった時にリオ五輪があるけど、その4年後の\’20年の五輪で彼らは26歳で最高のタイミングになる。だからその時のための環境作りも、今のうちからやっておきたいなというのもあったんです

教えすぎ=オーバーコーチングになると、選手が指示待ちになって、自分で考えなくなってしまいます

選手に伝える改善のワンポイントを選ぶ際には、「問題の根本的な原因は何か」ということをよく考えます

その髪の毛にしてから調子が悪いんだから、ダメだったら髪の毛を切ったらどうだ

私は、選手の素質を見抜く際には、身体や技術といった体の素質以上に、我慢強さ、忍耐力、集中力といった心の素質が大切ではないかと思うようになりました

みんな知りたいんですよ。何で金(メダル)が取れたのか、何で失敗したのか。だからメディアの前に出たら、それは心掛けないといけないことだと思っています

ティーチングの三つの基礎とは「挨拶をする、休まない、自分でがんばる」こと

僕は中学3年生の康介を、3年後にはオリンピック選手にしなければいけない。そういう生意気なところもあった

指導するコーチの限界が、選手の限界になってはいけない

だから自分の持っているのは、誰かに教わったことじゃなく、自分で見たり、聞いたりしたこと。本にあったことも参考にはしますけど

人を伸ばすには、その人自身に集中させることが大切です。脇目もふらずに自分のゴールだけを見つめ、自分の可能性という絶対値を基準として愚直に努力できる人が伸びていきます

目指しているのは世界一だったりするんで、常識的なことじゃないわけです

今では自分が言いたいことがあってもぐっとこらえ、まずは選手に質問するようにしています。そうして選手自身が泳ぎを反省し、言語化するのを待つ。自分の考えを伝えるのはそれからです

綾(寺川)が200メートル背泳ぎを棄権したのは、ゆか(加藤)、春佳(上田)とメドレーリレーを組みたいから、と出ているゾ。おまえには(五輪キップ獲得の)責任があるんだゾ

昔の人はよく言ったものです。「目は口ほどに物を言う」なんて

改善点はタイミングを見計らって伝えることも重要です。たとえば、試合で思うような結果が残せなかったときは、どこが修正すべき課題かを伝える絶好のチャンスだといえます

レースが終わって選手が帰ってきたとき、まずは自分が言いたいことを我慢するのがコーチの仕事です

だからこれからは、指導者自身の環境整備も考えなければいけない。大学の教員でいながら、どこまで自由度を持てるかなど……

ともかく基礎は教えるしかない=ティーチングと、ティーチングができている前提で対話しながら進めていく=コーチングの使い分け

もっと奮起しろと自分に思っています。どのようにしたら今の悪い状態を直せるかを考えて、夜も寝れなくなる。自問自答の連続なんですよ。そういうことを考えると、『俺ってコーチが好きなんだな』と思いますね

そこで僕は小学校に行く時に、家の周りにクイを打って糸で測量している場面を思い出した。「そんなのこうやって糸で測って何メートルとか言えばいいじゃないか」と言った。正解じゃなかったけど、先生が何か感心してて

まずは相手の気持ちになって、どういう言い方をされたら理解しやすいか、受け入れやすいかをシミュレーションすることが大切です。それには選手の性格や考え方をよく知っておかなければなりません