坪内逍遥の名言格言30選

坪内逍遥(つぼうちしょうよう)

日本の小説家、評論家、翻訳家、劇作家。小説家としては主に明治時代に活躍した。代表作に『小説神髄』『当世書生気質』及びシェイクスピア全集の翻訳があり、近代日本文学の成立や演劇改良運動に大きな影響を与えた。

坪内逍遥の名言格言

よしや人情を写せばとて、その皮相(ひそう)のみを写したるものは、いまだ之(こ)れを真の小説とはいふべからず。その骨髄(こつずい)を穿(うが)つに及び、はじめて小説の小説たるを見るなり

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知識を与えるよりも感銘を与えよ。感銘せしむるよりも実践せしめよ

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子ゆえに迷い、子ゆえに悟る

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凡そ形(フォーム)あれば茲に意(アイデア)あり

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よしや小説の目的たる人情世態は写しいだして其真髄に入るよしありとも、脚色繁雑しければ読むに煩わしく、布置法宜しきを得ざるときには奇しき話譚もあぢはひ薄かり。読者もかかる物語は中道にして読むに倦みて、いまだ佳境に入らざる前に全く巻を擲抛ほうりだすべし。故に小説を綴做すは、猶ほ一大文章をものするがごとし。結構布置の法なかるべからず、起伏開合の則なかるべからず、趣向に波瀾あり頓挫あり、記事に精疎あり繁簡あり、且つまた模写する情態にも斟酌しんしゃくの法存すればこそ、よく読む人を感動して音楽、詩歌にも恥ざるべき美術の誉れを得ることなれ

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入りやすくして、至り難いのが文学の研究である

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是れ泰西の国々にては、大人(たいじん)、学士といはるる人々、皆争つて稗史(はいし)を繙き、快楽(けらく)を求むる所以なりかし。わが国俗(くにうど)はいにしへより、小説をもて玩具(もてあそび)と見做しつ。作者もまた之れに甘んじ、敢て小説を改良して大人、学士を楽ましむる美術となさむと思ひし者なし

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小説の完全無欠のものに於ては、画に画きがたきものをも描写し、詩に尽しがたきものをも現はし、且つ演劇にて演じがたき隠微をも写しつべし。蓋(けだ)し小説には詩歌の如く字数に定限あらざるのみか、韻などいふ械(くびかせ)もなく、はたまた演劇、絵画に反してただちに心に訴ふるをその性質(もちまえ)とするものゆゑ、作者が意匠を凝らしつべき範囲すこぶる広しといふべし。是れ小説の美術中にその位置を得る所以にして、竟(つい)には伝奇、戯曲を凌駕し、文壇上の最大美術のその随一といはれつべき理由とならむも知るべからず

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人情を灼然(しゃくぜん)として見えしむるを我が小説家の務めとはするなり

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詩歌・戯曲(じょうるり)を活動し、且つ音楽を活用し、其妙技をしも奏すればなり

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小説は仮作物語の一種にして、所謂奇異譚の変体なり。奇異譚とは何ぞや。英国にてローマンスと名づくるものなり。ローマンスは趣向を荒唐無稽の事物に取りて、奇怪百出もて篇をなし、尋常世界に見はれたる事物の道理に矛盾するを敢えて顧みざるものにぞある。小説すなはちノベルに至りては之れと異なり。世の人情と風俗をば写すを以て主脳となし、平常世間にあるべきやうなる事柄をもて材料として而して趣向を設くるものなり

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夫れ美術といふ者は、もとより実用の技にあらねば、只管人の心目を娯ましめて其妙神に入らんことを其とはなすべき筈なり

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立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花

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此人情の奥を穿ちて、所謂賢人君子はさらなり。老若男女、善悪正邪の心の内幕をば洩す所なく描きいだして周密精到、人情を灼然として見えしむるを、我が小説家の務めとはするなり。よしや人情を写せばとて、其皮相のみを写したるものは、未だこれを真の小説といふべからず。其骨随を穿つに及びて、はじめて小説たるを見るなり

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人情とはいかなるものをいふや。曰く、人情とは人間の情慾にて、所謂百八煩悩是れなり

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およそ小説の範囲は、演劇の範囲よりも広く、時世々々の情態をば細大となく写しいだして、ほとほと遺憾を感ぜざらしむ。譬ば演劇にては、人の性情を写しいだすに、もつぱら観者の耳に訴え、また其眼に訴ふるがゆゑに、其の場かへりて狭けれども、小説にては之に反して、ただちに読者の心に訴へ、その想像を促進すゆゑ、其場頗る広しといふべし

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されば小説の作者たる者は専ら其意を心理に注ぎて、我が仮作たる人物なりとも、一度編中にいでたる以上は、之を活世界の人と見做して、其感情を写しいだすに、敢ておのれの意匠をもて善悪邪正の情感を作設くることをばなさず、只傍観してありのままに模写する心得にてあるべき

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小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ

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形容を記するはなるべく詳細なるを要す。我が国の小説の如きは、従来細密なる挿絵をもてその形容を描きいだして、記文の足らざるをば補ふゆゑ、作者もおのづから之れに安んじ、景色形容(けしきありさま)を叙する事を間々怠る者尠(すくな)からねど、是れ甚だしき誤りなり

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されども、これをなすに当りて、善人にも尚ほ煩悩あり、悪人にも尚ほ良心ありて、その行ひをなすにさきだち、幾らか躊躇ふ由あるをば洩して写しいださずもあらば、是れまた皮相の状態にて、真を穿たぬものといふべき

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直接の利益は人心を娯(たのし)ましむるにあり。小説の目的とする所は人の文心を娯ましむるにあり

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試みに一例をあげていはむ歟、彼の曲亭の傑作なりける『八犬伝』の中の八士の如きは、仁義八行の化物にて、決して人間とはいひ難かり。作者の本意も、もとよりして、彼の八行を人に擬して小説をなすべき心得なるから、あくまで八士の行をば完全無欠の者となして、勧懲の意を偶せしなり。されば勧懲を主眼として『八犬伝』を評するときには、東西古今にその類なき好稗史なりといふべけれど、他の人情を主脳としてこの物語を論ひなば、瑕なき玉とは称へがたし

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文は思想の機械どうぐなり、粧飾かざりなり

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斯(し)かれば外面に打いだして、行ふ所はあくまで純正純良なりといえども、その行ひを成すに先きだち幾多劣情の心の中に勃発(ぼっぱつ)することなからずやは。その劣情と道理の力と心のうちにて相闘(あいたたか)ひ、道理劣情に勝つに及びて、はじめて善行をなすを得るなり

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只管(ひたすら)人の心目を娯(たのし)ましめてその妙神(しん)に入らんことをその「目的」とはなすべき筈なり

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俗言のまゝに文をなすときは あるひは音調侏離(しゅり)に失し 或ひは其(その)氣韻の野(や)なるに失して いと雅びたる趣向さへ爲にいとひなびたるものとなりて 俚猥(りわい)の譏(そし)りを得ること多かり

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禁欲主義というやつは、矛盾を秘めた教えで、いわば、生きていながら、生きるなと命ずるようなものである

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人間という動物には、外に現る外部の行為と内に蔵れたる思想と、二条の現象あるべき筈たり

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