堤真一(つつみしんいち)
日本の俳優、ナレーター、声優。2000年、平均視聴率26.4%、最高視聴率34.2%を記録した月9『やまとなでしこ』でヒロイン(松嶋菜々子)の相手役、数学者の道を諦めた魚屋・中原欧介を演じたことにより、瞬く間に人気と認知度を高めブレイク。大河ドラマの常連俳優の一人で、舞台を始め、テレビドラマ・映画とジャンル問わず幅広く活躍している。
堤真一の名言格言
「昔はよかった」っていう生き方が、一番いけないと思っています。
頑張る、頑張らない以前に、自分が本当にやりたいことは何だったかと問いかける。すごく難しいんですけど。
20代のときは手探りで歩いていた感じでしたが、30代は少し落ち着いてくる。自分の個性を受け入れつつも、いまの自分が嫌だから変化しようとする。40代を過ぎると、30代でやっていたことが少しずつ形になっている気がします。
そのときはわからないけど、40代や50代になったときに、30代で頑張っていなかったらいまはないんだなぁってすごく実感すると思います。
駆け出しの頃は、仕事で家を1か月ぐらい空けることも多かった。その時は部屋をメチャメチャ綺麗に掃除してから出発することにしていました。もし、自分が死んだら、身内が部屋を片付けに来るでしょう。その時に迷惑を掛けたくなかったんです。当時は食べるのもやっとで、いつ野垂れ死にするかも分からないと思ってましたから。
今の社会には正しいとされている価値観があって、何となく「レールの上に乗ってしまっているな」と感じることってあると思うんです。でも、自分が本当にやりたいことは何だったか、何が好きでどんな夢があったのか――。そこに立ち返って、一歩でも踏み出す勇気が大事なんじゃないか、と。
「新しい信長像をつくりたい」と言うしかなかったんです。まさか、「誰々さんの演じた信長を踏襲します」とは言えないでしょう(笑)。実際は、最初から具体的な信長像を持って挑んだわけではないんです。ただ、演じる上で、自分の中での「理由付け」をきちんとしようとは考えていました。信長には強さのイメージがありますが、「単にそういう性格だから」では済ませたくなかった。信長が激しかったり、暴力的だったりするのは、人としての弱さや不安の裏返しだと解釈したんです。そうした理由付けを1つずつした上で演技しようと。