尾野真千子(おのまちこ)
日本の女優。愛称はオノマチ、マチョス、マッチ。NHK連続テレビ小説『カーネーション』のヒロインでファッションデザイナー・小篠綾子をモデルとする主人公・小原糸子を演じた。その後もドラマ『最高の離婚』、映画『そして父になる』などに出演。日本アカデミー賞で優秀主演女優賞など多くの賞を受賞している。
尾野真千子の名言格言
賞をいただいたことだけではなく、カンヌ映画祭に参加できたということにすごく幸せを感じています。 観客の方に見ていただいて直接感想を聞ける場というのは、演じ手として一番のご褒美だと思うんですよね。 映画が披露され、その場ですぐに拍手という表現で感想をいただき、笑ったり泣いたりされている観客の方々の様子を直に見られるのは、本当に嬉しくて。これからももっともっと、自分なりに伝えていきたいなと思いました。
自分が楽しかったら、みんなも楽しいかなっていう、自己チューな感じ。その時の役にもよりますが、役者とスタッフの境目がないように、みんな楽しめたらいいな、一つになればいいな、といつも思います。
トレーニングしている自分を「今私頑張ってる!」って思えるのがいい(笑)。 「目標に向かって頑張ってるんや!」っていう気持ち良さがありました。
“女優としてやっていこう”という心が決まったのは東京に出てきてからですね。 奈良にいたころはずっと実家だったし、地元だけで生活をしていたから何も知らなかったんです。だけど、東京に出てきたら、全部イチから知っていかなきゃいけないし、都会で生き続けなければいけないので。そのときに、奈良に帰らないつもりでやらなきゃって思いました。もちろん、仕事で失敗したり、躓いたりして、東京に出てきたことを“失敗したかな”と思ったこともありました。そんなときはお母さんに電話して言いたい放題言って、でも最後には“頑張り”って言われるから、“頑張る!”って言うしかなくて。それの繰り返しでしたけど、最近はその失敗があったから今があるんだと思えるようになって。 私は家族にすごく恵まれましたから、家族がいて本当によかったなと思います。
痛めつけられてなんぼ、ですよね(笑)。 周りにいる人がいろいろなことを言って、いろいろなことをやらせてくれるから、いろいろな自分が出てくる。そうでないと、自分で甘やかしているだけだと、これが限界になってしまう。
いろんな役をもらえると、期待されてるのかな?っていう気がして、すごくうれしい。だから、もっといろんな役がほしいし、自分もどんな役ができるか想像がつかないから、見たいんですよね。 私にできると思ってオファーしてくださるので、そういう期待にも応えたいと思うんです。
嫌なことは引きずらない。とりあえず、食べて寝ます。それでもだめな時は、すべて“無”の状態にすることがよいと思うようになりました。 無理に考えるのではなく、なかったことにするわけでもなく、気持ちを静めて、ゆっくりする。…伝わるか分からへんけど。
この出会いの前と後では、役者として何かが変わっているのだと思います。 急には変わらないかもしれませんが、きっと時間をかけて変化は現れるはず。
ドラマでも映画でも全く同じ役というのはありません。 似たような役であっても、必ずどこかが違います。ですから、一つ一つの芝居を大事に。とにかく、大事に、大事に演じていくしかないんですよね。ときには複数のお仕事が重なることもありますが、切り替えはどうしているのか、自分でもよく分からないです。その現場に行くと、いつの間にかその役になれるという感じ。 周囲の人に支えられて演じられていますね。
今回のお話を頂いた時に「ひとつお伝えしておくことがありまして…エベレストに登っていただきます。それ前提のお話です。」と言われたんです。もうそれ聞いた瞬間に「やりたい!」と即決しました。 自分も山育ちなので通ずるものが何かあるんじゃないか、自分が生きてきた中で表現できるものがあるんじゃないか、となんか運命を感じたんです。 出演を決めた後に台本を読んだんですけど、本当に素晴らしい内容でした。
実は海外で撮ることにすごい恐怖心があったんですね。 私、本当に恥かしくなるぐらい英語が苦手で、日本人なんだから、日本の土の上で撮りたいという思いもずっとあったんです。だから、外国で撮ることにすごく抵抗があったんですけど、今回挑戦してみて、私にも海外で撮影することができた(笑)。それに、言葉が分からなくても気持ちが伝わることや、台湾の人たちにも日本人と気持ちの上で似たところがあることに気づけた。そういうプラスの考え方ができるようになって、また挑戦したいという気持ちになれたことは自分にとって進歩ですね。
私の場合は、リセットは簡単なんです。 寝ればリセットされるので。いいことも、悪いこともね。いいことはたまーに覚えていますけど。
どんどん次に、次に行っていますけど……どんな役をやったっけ? って思い返すこともありますからね。 本当は(撮影の終わった役は)なくした方がラクなんです。 残っていると、その子たちが出てきちゃうから。
過酷であるほど楽しめてくるんですよね。それが良いのか悪いのかわからないですけど(笑)。なんか過酷であればあるほど頑張ってる感ってスゴイじゃないですか。そういうのってすごいアガってくるんですよ(笑)。 「私は今頑張ってるんや!」って思うと、「あぁ、なんかいい物ができるんじゃないかな」ってすごいアガるんです。