清少納言(せいしょうなごん)
平安時代中期の作家、歌人。随筆『枕草子』は平安文学の代表作の一つ。
清少納言の名言格言
世の中に なほいと心憂きものは、人ににくまれんことことあるべけれ
つれづれなぐさむもの 碁。双六。物語。三つ四つのちごの、物をかしう言ふ。
星はすばる。彦星。夕づつ。よばひ星すこしをかし。尾だになからましかば、まいて。
よろづのことよりも、情けあるこそ、男はさらなり、女もめでたくおぼゆれ。
草の花はなでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし。
ただ過ぎ過ぐるもの帆かけたる舟。人の齢。春、夏、秋、冬。
遠くて近きもの 極楽。舟の道。人の仲。
にくきもの、急ぐことある折りに来て長言する客人。
はづかしきもの色好む男の心の内。
物聞かむと思ふほどに泣く児(ちご)。鳥の集まりて飛びちがひ、さめき鳴きたる。
心地のあしく、物のおそろしきをり、夜の明くるほど、いと心もとなし。
男こそ、なほいとありがたくあやしき心地したるものはあれ。いと清げなる人を捨てて、にくげなる人を持たるもあやしかし。
常よりことに聞ゆるもの正月の車の音。また、鳥の声。暁のしはぶき。物の音はさらなり。
遊びは 夜。人の顔見えぬほど。
雲は 白き。紫。黒きもをかし。風ふくをりの雨雲。明け離るるほどの黒き雲の、やうやう消えて、白うなりゆくも、いとをかし。「朝に去る色」とかや、詩にも作りたなる。月のいと明かき面に、薄き雲、あはれなり。
絵に描きおとりするものなでしこ。菖蒲。桜。物語にめでたしといひたる男女の容貌(かたち)。
夜をこめて鳥のそら音ははかるともよに逢坂の関は許さじ。
女は己をよろこぶ者のためにかほづくりする。
人にあなづらるるもの築地のくづれ。あまり心よしと人に知られぬる人。
冬は、いみじう寒き。夏は、世に知らず暑き。