三谷幸喜(みたに こうき)
職業:劇作家、脚本家、演出家、コメディアン、映画監督 誕生:1961年7月8日 出身:東京都世田谷区
大学在学中の1983年、劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成。初期には「一橋壮太朗」の芸名で自ら役者も務めていた。この時期には、テレビ朝日の深夜番組『ウソップランド』で視聴者からの映像作品を募集する「チャレンジビデオコーナー」へ自ら制作した作品を投稿し、それが採用されて放送されたこともあった。劇団と並行して放送作家としても活動し、『アイ・アイゲーム』、『欽ドン!』、『お笑いマンガ道場』などの番組構成に携わる。テレビアニメ『サザエさん』の脚本を4本手がけたが、3本目に執筆した「タラちゃん成長期」の、タラちゃんが筋肉増強剤を使ってオリンピックに出る夢をみるというストーリーが、プロデューサーの逆鱗に触れて降板させられたことを、月刊『ドラマ』の特集で語っている。1989年から、フジテレビのコメディドラマ『やっぱり猫が好き』の脚本を多くの回で担当し、翌年の同枠の『子供、ほしいね』のほとんどの回を担当したことからテレビドラマの世界でも注目を集めるようになる。
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三谷幸喜の名言格言
殺人者ではあるんだけど、事件そのものはイチローさんの方に理があるというふうにしたかった。そこから逆算して、『フェアな殺人者』というタイトルになりました
新しいものを引き出そうと思ったわけではありません。もともと彼らはそういう面を持っていたんです。みんながそれを無視してきただけ。僕からすると、どうして決まった役ばかりやらせるのかと思います
普通な感じで演じて下さい。心配はいりません。皆さん、普通のままでも十分お爺さんですから
例えば織田信長は開拓者だから、一般的にはワイルドなイメージがあるじゃないですか。ところが私にとっての信長は、ルイス・フロイスが描写している人物像に近いんですが、「スッとしていて、近づくとプーンと良いにおいがする」イメージなんです
地球人だから普通に観ていますけど、あの星の人が観たら赤面するような、モザイクをかけないといけないようなシーンすら出てくる
生きものはそれぞれルールが違うわけで。人間だけのルールで考えちゃいけない(笑)
肖像画で見ると、髪の生え際はかなり後ろなんですよ。しかし最近の時代劇を見ると、俳優さんを格好良く見せるために、生え際が次第に前へ前へと来る傾向があります
昔から、適材適所に人をはめていくのが好きでした
学生の頃、女性に振られることもありましたけど、あまりそのこと(振られたこと)に気付いていないというか。僕が付き合っていると思っていた女性がいて、その人が別の男性と歩いているのにバッタリ会ったときがあったんです。彼女に「ごめんなさい。わたしは三谷さんと付き合っているつもりはなかったの」と言われて
『あいつは、あんなふうに口説いているのか』『あんなふうに女の人と接しているのか』とか思われるのがすごく恥ずかしいから、なるべく避けてきたというのはあります
丹羽長秀は登場人物の中で最もセンスが良かっただろうと考え、最も良い生地で、最も上品に仕立てました
秀吉を演じる大泉洋さんにお願いしたのは、清須会議に至るまでの前半生をきちんと見せてほしいということ。そして、この先どうなるかは先読みしないでくれということでした
学年っていうのは生涯を左右するものですからね。「同学年」っていうだけで何か心開いた感じしますけど、清水さんは二つ上だからもう閉じまくってます
まずい食材はない。まずい料理があるだけだ
やっぱり、タバコって刺激が強いじゃないですか?強いからこそ習慣になりやすいのかもしれない。僕もタバコを吸うようになりたかったんだけど、一度吸ってみたらなんか、すごい強かったんで、とりあえずパイポから始めようと思って……
最初イメージしたキャストを書いたものをプロデューサーの方に渡すんですが、100%思いどおりにいくことなんてないんです。でも、今回は皆さん出てくださることになって、僕が一番びっくりしています
そういう話を聞くと、またこの人たちのために、またこういうことをやりたいなと思うんですよね。ひょっとしたら、そういうところに、自分の居る場所があるのかなと思ったりします
舞台みたいに一か月稽古したら出来るかもしれないけど、稽古期間は映画の場合ないですから。朝来て段取り決めて、それでやるから皆と一緒なんです。ほんとにそこは集中力で乗り切るしかないんですよね
(女性と会ったとき、どこを一番最初に見ますか?)自分のファスナーです
柴田勝家はガサツなのでしわしわで、お市様が嫌がるほど匂い立つ感じを表現しています
予告編だけ観ると、ふざけきっているように見えるかもしれない。『三谷、どうした?もうあいつは(向こうに行ったっきり)戻ってこないんじゃないか』と思われるかもしれない
あんまり便利を究極に求めていくと逆にこれまたね。どんどん不便になってく
清須会議は5日間の話なので、その5日間で、武将たちの生き様をこれでもかというくらい描いています
僕は『ワン・フロム・ザ・ハート』が大好きなんですけど、そのフレーズはプロデューサーの前では禁句になっていて。あの映画は、興行的には決して成功とは言えないので。毎回、ああいう感じでいきたいと言うと、みんな青ざめるんです(笑)
古代ローマの遺跡に何か文章が残っていて、「最近の若者はなってない」って書いてあったらしいですからね
城内の居室の位置関係は、そのまま人間関係を示しています。ライバルである勝家と秀吉の居室が庭を挟んで向かい合っていたり
「わたしはこの人と付き合っているんだ」と面と向かって言われたんですけど。そのとき僕が思ったのは、彼女は相手の男の人に気を遣ってウソをついた、と
明智光秀は、「敵は本能寺にあり!」と勇ましく駆ける青年のイメージが強いですが、近年の歴史研究に基づいて、老人にしました。さらに「金柑(きんかん)頭」だったという伝説もあるので、特殊メイクで挑戦しています
一番悔しいのはね、試写で一番盛り上がるのが西田さんがお尻出したときなんですよ。結局それなんだ、って。これだけ苦労して作ったのに、西田さんのオケツに負けてしまったって言うのがとても悔しいです
ビジュアルには相当こだわりました。本当にここまでマニアックでいいんだろうかというくらい、いち歴史ファンとして、やりたいことをやらせていただきました
舞台をやったときに、長澤まさみさんから「綾瀬さんは本当に食べる姿がかわいいから、絶対そういうシーンを作ってください」って言われたんです
ラブストーリーだけでなく、エロスの世界に入り込んで。極端に言えば性交渉のシーンが2回出てくる(笑)
照明さんも含めて全員が段取りを覚えて、きっかけを覚えて……だから5分ぐらいの長回しなんてほんとに大変なんだけど、一番楽なのは監督なんですよね。僕は、離れた所で見てるだけなんで(笑)。だから僕自身はとっても楽しかったです。俳優さんは大変そうでした
とことん悲劇のヒーローになりたい。だから、これくらい堕ちたほうがカッコイイんだと
最初はバラバラなんだけどそれが最終的に一つにまとまって、できればラストシーンには全員が集まってるみたいな、そんな映画を作りたいというのがありました。だから今回はまず本を書いて、そこからキャスティングだったんです
自分が落ち込んだとき、何を観て気を紛らわすかといったら、やはりコメディなんです。「グレートレース」やビリー・ワイルダーの映画を観て元気になる。くだらないと思いつつ「Mr.ビーン」を観たりね。そういう意味で、喜劇には意義があると思います
華やかさとか派手さとか、スペクタクルな宇宙モノはたくさんあるし、それは僕にはできることではないので、そうじゃない自分ができる宇宙の話といったら、こういうことに落ち着くんだと思うんです
今回も、美術、衣装、小道具、アニメーターの方々にせよ、みなさんすごく楽しんで作ってくださって。なぜかというと、こういう映画があんまりないから
歴史好きだけがニヤリとできる仕掛けが他にもいっぱいあります。ぜひ劇場で探してみてください
なんか照れくさいんですよね。どんな話を作ったところで、結局、ラブロマンスや恋愛ものは、僕の体験がもとになってしまうので。みなさんもそういうふうに観るでしょうし
戦国武将の似顔絵を描いて遊んでいるような子どもだったんです
メールは難しいですよね。その人が思っている30倍ぐらい、大きく受け取ってしまいますから。顔文字も、もっと深い意味があるんじゃないか?とか。男性心理のことなら、僕が相談に乗りますよ(笑)
自分が楽しんできたいろいろな映画を再構築していく。これだけいろいろな人が関わっている映画で、こんなことを言っては申し訳ないけど、ある種、趣味みたいなところがありますから(笑)
来年は念願の歌舞伎を春にやるので今はそれに集中してます。あれだけいい俳優がそろった劇団ってないからね。とても幸せです
僕の中ではそれはもう明らかであって、期待に応えるということですよね。自分のやりたいものをやるんじゃなくて、人が自分にやってほしいものをやるということですよね。僕にとってのプロフェッショナルというのは
ワンシーンワンカットだとすごい緊張感の中やるんで、突然本番で違うセリフ言ったら回りが困ってリアクションできなくなっちゃうからやらないんです。でも、西田さんだけは……自由にやってもらいました
僕が一番大好きなセリフがあって正直観るたびに笑っちゃうのが、これも西田さんなんですけど、西田さんが記者会見場で記者に、「だまれ!……大人になれよ」って言うせりふがあるんです。ホンットにおかしいんですよ。ただ、またまた悔しいことにそれは台本にはないセリフで、あの場で西田さんが突然言ったセリフなんです。だから正直複雑なんですが……でも大好きです
特殊メイクといえば、豊臣秀吉は、指が6本あったという伝説がありますよね。じつは、その再現にも挑戦しています
むしろ「絆が深まった」「僕らはそれだけわかり合った仲なんだ」と思っていましたね
時代劇もやってみて、SFもやってみて、ミュージカルもやってみたいし、無声映画もやってみたいし、戦争映画もやってみたい。自分がいままで観てきたジャンルのものを、自分なりに崩して再生産する。そういうことが楽しくてやっているのだと思います
30年前、大学の先輩である俳優の篠井英介さんにお会いしたとき、「信長はこの人しかいない!」と直感しまして、今回の映画では、30年越しの夢が叶いました
衣裳も人間関係を表しているんです。前田利家はおしゃれだったというので、当時のアイロンはどうだったか調べて、実際にかけるシーンを撮りました
そういう自分の美学みたいなもので、ヒドい目に遭ったことはあります。雨の日、傘を持っていないのにあえてずぶ濡れで帰るとか。傘を買えばいいのに、あえて濡れて帰る。そうすると、ちょっと悲劇っぽくなりますよね
衣装も現実的ではない、でも、あんまり突拍子もないわけじゃない。そういうところで作っているのは僕ぐらいだとおっしゃってくださるんです
この映画って僕の舞台をそのまま映画に持ってった感じはあるんですけど、それをじゃあ今度はそのまま舞台に持っていけるかというとこれはやっぱり映画じゃなきゃ難しいんですよね。だからもしやるとしたら連続ドラマですね。毎回違うお客さんがやってきて……みたいな。でも、もうセット壊しちゃったからね……(笑)
そのぶん僕のなかではやりやすかったですし、気負わずに作ることができました。だからこそ、思いきったことができた
劇中で秀吉は常に手袋をしていますが、ワンシーンだけ、手袋を外しているシーンがあります。そこをよく見ると、指が6本あるんです。そんなことして誰が喜ぶんだって話ですが(笑)
小学生のころから歴史が大好きで、一度、自分なりの視点で戦国時代を描いてみたいという想いがあったんです
変な言葉って沢山あるよね。『マッハ文朱』とか
2時間の映画のつもりで作ったら結局2時間15分になったんですよ。でも最初のシーンで時計が10時を指してたんです。これカウントダウンまでの映画なんで2時間だと大晦日を過ぎちゃうんですよ。で、これはやばいってなって、苦肉の策で最初の10時の時計をCGを使って9時50分にしました。ちょっとお金がかかっちゃいましたね
例えば清須城の天守は、存在していたかどうかすら不明なんです。しかし美術の種田さんとも協議して、白壁ではなく櫓が少し大きくなった天守くらいはあっただろうと。清須城はCGばかりに頼らず、かなり大がかりなセットを制作して撮影しました
いつも映画をやるときに、僕なりに『僕が作る映画ってどういうものなんだろう』『僕しか作れないもの、僕が作らないといけないものはどんなものだろう』というところから考えるんですけど、今回はわりとそういうところを取っ払ってしまって、普段、自分が舞台でやっている世界観をそのまま持ってきた、というところがあるんです
大変さをお客さんに感じさせないようにする。手を抜くのではない。「さらっと」演じるというのが表現としては近いが、いい加減にやっているみたいで、言葉として好きではない。…「するりと演じる」。微妙な表現だが、これが一番はまる
(ギャラクシー街道について)ここに出てくる男性は全部、僕ですね
たとえば『清須会議』のときは、僕以上に歴史に詳しいスタッフもたくさんいらっしゃった。その人たちの知恵を借りながら作っていったんですけど、今回に関しては、僕よりも『この世界を知ってる人』は誰もいないわけで。そのサジ加減は全部、僕次第だった。プレッシャーも怖さもありましたが、そのぶんおもしろかったですね
こだわった点があるとすれば、ただカメラを据え置きにして会話のみの芝居はつまらないから、俳優さんもできるだけ動いてもらったし、カメラもレールや、ステディカムを使ってかなり動いてもらいました。だから現場は結構大変だったみたいですね
アメリカ映画がアメリカ映画たるゆえんは、アメリカの俳優を使っているからです
ただ(映画自体は)意外と、登場する人物はリアルだし現実的。宇宙人ということで多少、地球人と違う部分はあるにせよ、かなり等身大の身近な物語になっていると思うんです。窓外が宇宙でなければ、(舞台は)新宿でもいいんじゃないかっていうくらいのお話は目指しました
仕事がうまくいかないとか、うまくできないということはありますけど、人間関係で落ち込むとかって、実はそんなになくて
僕のイメージの中にイチローさんが言いそうなこと、やりそうなことをインプットした上で、“殺人者イチロー”を作っていったんです
情けない部分とか弱い部分。そこも含めて、血の通った男性像になったかなと思います
たとえば、ハンバーガーショップをまるまる一軒作っちゃうみたいなことはなかなかない。それは僕の映画だからできるんだ、とおっしゃってくださった
自分がヒーローでありたい、常に自分は物語の主人公のつもりなんだけど、実はそうではないということはありますからね
高校の時に制帽っていうのがあったんですよ、帽子。だから、僕は被るものだと思って被っていましたけど、全校で僕だけだったんですよ、帽子を被って登校してたの。僕は校則だから被ってたのに、そういうのが逆に、変人に思われたりするんですよね
信長に限らず、武将たちのビジュアルでまず注目していただきたいのは、頭頂部の髪を剃った部分「月代(さかやき)」です
皆さんと同じく「歴史が好き」という一念で作った時代劇です。私自身、楽しんで作ったので、歴史ファンには十二分に楽しんでもらえると思います
本人はギターをやったことないって言ってたけど、「新選組!」のときに、現場に遊びに行くと、よく控え室で香取さんと、土方役の山本君がジョイントでギター弾いてたんですよ。僕それ見ていて、「彼はできる!」と思って書いちゃったんですけどね
普段なら絶対やらないですけど、果敢にアタックしてみたところはあります。でも、それは宇宙だったからできたんです
小栗(旬)さんの役(自分がヒーロー・キャプテンソックスであることを恋人に告白するハトヤ隊員)も僕ですからね
自分が面白いと思っていないことをいくら喋っても、周りに面白さが伝わるわけはないですからね
『国盗り物語』などNHK大河ドラマは毎週観ていましたし、平凡社から出ていた『戦国百人』という雑誌が大好きでした
(笑)マークは、それさえ入っていれば、なんだか会話が盛り上がっているように見えてしまう、ずいぶん便利な発明品です
今作の月代は、既成の鬘ではなく、特殊メイクで作ってもらいました。メイクテストをしているときに、歴史好きとしても有名な女優の杏さんがたまたま覗きにいらっしゃって、「本物がいる!」と言ってくれたことがありました。「してやったり」と思いましたね
嘘の下手な人は、すべてを嘘で塗り固めようとします。嘘のうまい人は、肝心のところだけ嘘をついて、あとは出来るだけ本当のことを話します。だからつまり、正直者ほど嘘がうまいというわけで
僕の理想は、登場人物がごく普通の生活をしていて、誰も泣いていないけれども、観ている人が胸に迫るものを感じるというものです
勝手にハマるんじゃないかと思って作ったんです
アーティストとしての自分の向き合い方ではなくて、もっと全然別なところにあります
『戦国百人』は毎日のようにずっと見ていて、「丹羽長秀の顔は軍人のようだな」「竹中半兵衛はすごく気が小さそう」などと、想像を膨らませていました
笑わせる場合も、演じる側が面白がるのを診せるのではありません。物語自体は悲しいのに、観客として観るとおかしくてしょうがない。そんな作品が最も気高い笑いだと思います
秀吉ですら、自分が天下を取るなど100%確信していなかったはず。ぎりぎりのところで、必死になって、不安になって、戦っていた。そんな戦国の熱い駆け引きをぜひご覧ください
僕は脚本家だし、脚本家が作った映画というスタンスは崩れないし、崩さないつもりではいるんですけど、それ以前に自分はいち映画ファンだという割り切りが、どこかでできたんだと思うんです
池田恒興は派手だけど、ものすごくダサい(笑)